リン・・・過剰摂取が問題


体内のカルシウムを減少させる

身体に不足することがあまりないので、あまり関心をもたれていませんが、最近リンの過剰摂取が問題となっています。なぜ問題なのかと言うと、リンが過剰になると、カルシウムの体外への排出を促進してしまうからです。成長過程でカルシウムを多く必要な子供には特に問題です。

もちろん大事な働きはある

リンはカルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨の主成分となっています。さらに、細胞の成長、神経や筋肉の機能を正常にするといった重要な働きを担っています。ですからリンが不足すると、骨が弱くなったり、新陳代謝の低下で筋肉が弱くなったりします。脳への働きも大切で、リン脂質となって脳をつくるのに欠かせないミネラルといえます。

普通の食事で充分足りている

カルシウムとリンの摂取量の理想バランスは1対1。ところが、現在の栄養摂取現況調査でみると、リンの摂取量はカルシウムの2倍以上。しかもリンは必要所要量を充分に上回っていますが、カルシウムは足りていません。肉、魚、卵などの主菜になる食品はカルシウムよりもリンが圧倒的に多く含まれていますから、通常の食事ではカルシウムよりリンを多く摂ってしまうことになるのです。

食品添加物が更に問題

さらに最近問題なのは、食品添加物として、リンが加工食品に多く含まれていること。その他にも清涼飲料水の酸味の元として使われています。乳製品はリンとカルシウムのバランスがとれていますから、普段の食事やおやつなどに乳製品をなるべく食べるような努力が必要です。