子供に大切な栄養素〜カルシウム〜


過去20年間ずっと不足

カルシウムは、骨や歯を形づくる重要なミネラルであることはよく知られていると思います。その役割がカルシウム全体の99%を占めているのですが、残り1%は神経のいらだちを抑える精神安定剤の働きや筋肉を収縮させて心臓を正しく活動させるといった働きもあります。このカルシウムの日本人の平均摂取量は、過去20年以上一度も必要摂取量(600mg)を満たしたことがないのです。

リンに注意

元々摂取量が少ないのですから、摂取を阻害するものには注意しなくしてはいけません。まず、カルシウムの天敵といえるミネラルがリン。リンが過剰になると、カルシウムの体外への排出を促進してしまうからです。リンは、食品添加物として加工食品や清涼飲料水などに多く含まれていますので注意しましょう。

タンパク質や食物繊維も注意

良質のタンパク質はカルシウムの吸収を高めるのですが、取りすぎは逆にカルシウムの排泄量を増やしてしまうので要注意。また、食物繊維などもミネラルの吸収を悪くするもの。それぞれ身体に必要なものですが、カルシウムを含んだ、例えば牛乳などを飲んだときに、食物繊維が豊富なものを摂らないなどの工夫は必要でしょう。ナトリウム(塩分)も、過剰摂取はカルシウムの排出を増やします。

ビタミンDは一緒に摂ろう

一方、カルシウムと一緒に摂りたいのがビタミンD。ビタミンDはカルシウムの吸収をよくし、カルシウムが骨に吸着するのを助けます。ビタミンDは日にあたると体内で合成されるので、室内ばかりにいる人はビタミンDが不足しますので注意しましょう。また最近、「牛乳とレモン果汁を同時摂取するとカルシウムの吸収率があがる」という研究が発表されました。一度試してみてはいかがでしょうか。