脳のためには、魚の脂と根菜を


DHA(ドコサヘキサエン酸)

数年前から、頭をよくする食物として良く耳にするようになったDHA(ドコサヘキサエン酸)。ブームのきっかけは、イギリスのある教授の発表。「日本人の子どもの知能指数が高いのは、魚をたくさん食べているため」「魚に含まれているDHAが頭の働きをよくする」と、日本人には何ともうれしいものでした。

魚の脂にたくさん含まれている

DHAとその素となるアルファリノレン酸は、ともに脂肪酸の一種。アルファリノレン酸は、体内で合成することができないので、どうしても食物から摂取する必要があります。低温の海に住む魚の脂に多く含まれていて、魚の中でもとくにDHAの量が多いのは、マグロ、サバ、サンマ、ウナギ、イワシなどです。中でもマグロの脂身には飛び抜けて大量に含有されています。しかもこれらの魚は、心臓病や脳梗塞を予防するとされるEPA(エイコサペンタエン酸)もたっぷりと含んでいるので、脳だけでなく身体にもよい食品なのです。

食用油で揚げてはいけない

ただ、食べる時には「食用油で揚げると効果がなくなる」という点は、是非覚えておいて下さい。食用油に多く含まれるリノール酸は、アルファリノレン酸と体内で競合関係にあって、その作用を抑えてしまうのです。シソ油とゴマ油以外のほとんどの食用油はリノール酸ですので、注意が必要です。

根菜もおすすめ

アルファリノレン酸が含まれている食品は、根菜にも多いのです。白菜、大根、カブなどが良いですから、是非お試しを。根菜以外では春菊などもお薦め。逆に、夏野菜のキュウリ、ナス、トマト、ピーマンなどは、アルファリノレン酸よりも、その働きを阻害するリノール酸の含有量が多くなっています。