魚から水銀摂取!?・・・妊婦は特に注意が必要


魚のメチル水銀、国際機関で基準値引き下げ

魚に含まれるメチル水銀が胎児の健康に影響を及ぼす恐れがあるとして、国際機関が基準値の引き下げをしたことを受け、諸外国で注意事項を改定しています。日本の厚生労働省も、この国際基準値引き下げをうけ、「注意対象魚類の見直し」の検討を始めています。

大型魚に蓄積しやすい水銀

水俣病で問題になったメチル水銀の毒性は特に胎児に影響を及ぼしやすいとして、日本では一週間の耐容摂取量は、体重1kg当たり3.3マイクログラムと定めています。メチル水銀は食物連鎖を通じて大型魚や深海魚に蓄積しやすく、日本人は総水銀量の8割以上を魚介類から摂取しています。

キンメダイ、メカジキ、マグロなどが要注意

厚労省は妊婦や妊娠の可能性のある人を対象にキンメダイ、メカジキの摂取は週2回以下(1回につき60〜80g)を呼び掛けるなど魚介類7種の注意事項を公表しました。さらに、国際専門家会議(JECFA)がメチル水銀の耐容摂取量を引き下げ、欧米諸国で注意事項の改定が相次ぎ、マグロ類を対象に含める国も出てきています。

必要な栄養素もある

ただし、魚には胎児の発達に有用なドコサヘキサエン酸(DHA)など豊富な栄養素が含まれています。摂取量には一定の注意が必要ですが、専門家も「同じマグロやキンメダイを毎日食べることを避け、食べ過ぎたら次回に減らせばいい。いろいろな魚をバランス良く食べ分けるのが重要」と指摘しています。