テレビを見る子は野菜を食べない


テレビを見る子ほど…

テレビをよく見る子どもほど太っている、キレやすい、油ものをよく食べる・・・そんな調査結果はこれまでにもたくさん報告されています。ただし、太っているのはテレビのせいよりも、運動不足のためかもしれず、食生活の偏りも、"子育ての手抜き"、つまり子どもに漫然とテレビ見せておいて平気、という親の姿勢が反映されているだけかもしれません。

テレビを見る時間と野菜摂取は、反比例

「テレビを見る時間が長い子どもほど、野菜や果物の摂取率が低い」ことが分かり、更に、1年半後に行った追跡調査では、「テレビを見る時間が増えた子どもほど、野菜や果物の摂取率が減っていた」ということが判明しました。今回発表されたこの結果は、運動量や家庭環境など様々な要素を補正して、純粋に、テレビ視聴時間と野菜・果物摂取との関連を分析できるよう工夫した調査の結果です。

調査の具体的方法

この調査は、米国の小学6年生約550人を対象に行なわれました。具体的な工夫点として、まず、クラブ活動などによる1週間の運動量を尋ね、運動量の違いによる影響を補正。更に、「週に何回、家族揃って夕食を食べるか」を聞いて、親の"子育ての手抜き度"の指標にし、少食の子どもでは野菜・果物を食べる量も減る可能性があるので、野菜・果物摂取は「量」ではなく、1日の摂取エネルギーに占める「率」で評価しました。そして、ビデオを見た時間やテレビゲームをした時間は、テレビを見た時間とは別に集計し、純粋にテレビの影響が反映されるようにしたのです。

テレビコマーシャルの影響?

「なぜテレビを長時間見る子どもほど野菜や果物を食べないのか」については、まだはっきり答えが出ていませんが、その調査を行なった研究者は、テレビコマーシャルの影響が大きいと考えているようです。ジャンクフードのコマーシャルが、まず子供に、更には食品を購入する親に影響し、摂食行動を左右しているということです。子供にテレビを見せる時は、録画して、コマーシャルを飛ばして見せる方が良いのかもしれません。