「心の病」が急増中


6割の企業が実感

現在働き盛りの世代に「心の病」が急増しています。「産業人メンタルヘルス白書」によると、ここ3年間の「心の病」は増加傾向と回答した企業は、全体の6割にのぼりました。わずか2年前の調査では約5割でしたので、短い期間に1割も上昇したことになります。同じ調査で「従業員数3000人以上の企業」に限定すると、その割合は7割にも達します。

長期休業者も増加

「実際に心の病による1ヶ月以上の休業者が存在する」企業も、2年前には58%だったものが、今回の調査では67%にはね上がりました。従業員数3000人以上の企業に限定すると、その割合は何と96%にものぼるのです。

30代40代が危ない

調査の結果、「心の病」が最も多い年齢層は30代。全体からみて30代が占める割合は50%にものぼり、次に多い40代の22%を大きく引き離しています。30代は自殺率の伸び率も17%と大きな伸び率を示しており、自殺を含む精神障害などの労災認定件数の比率は36%という高い数字になっています。

メンタルヘルスは企業の責任

仕事のストレスが原因でうつ病などになった精神障害の労災請求は年間で500件近くにのぼり、実際に労災認定されたケースも100件を超えています。今までほとんど個人の問題とされ、あまり気にされてこなかった社員の心の健康(メンタルヘルス)は、徐々に企業の責任を問う流れが強まっています。